Ruffn' Tuff Founders of The Immortal Riddim
(ラフン・タフ
永遠のリディムの創造者たち

監督:石井“EC”志津男
出演:グラッドストン“グラディ”アンダーソン、リン・テイト、ユー・ロイ、アルトン・エリス、ボブ・アンディ 他
配給:デックスエンタテインメント
2006年10月14日〜シアターN渋谷にてロードショー

“ジャマイカからのリディムの創造者たち”
小さな島ジャマイカ。カリブ海のこの小国が世界に広めたもの、それは、“レゲエ”
貧しい国のジャマイカが何故世界中に“レゲエ”音楽を発信し、広めることができたのであろうか?
レゲエは独特の力を持っている。このリディムを聴くと、夏や海を感じるし、のんびりした時間が流れる。
酒が欲しくなるし、太陽の下に行きたくなる。
この映画“ラフン・タフ”は、そんなレゲエのルーツを映し出したドキュメントムービーである。
レゲエのルーツは50年前、スカという裏打ちのビートの音楽にあるという。
東京スカパラダイスオーケストラのあのリズムをイメージしてもらえばよいだろう。
そしてギターが加わり、ロック・ステディと変化し、レゲエは生まれる。
伝説のピアニスト“グラッドストン・アンダーソン”、レゲエDJの始祖U-ROYと、
レジェンド達の当時の思い出話は、単なる思い出ではなくまさに“レゲエ発祥の歴史”である。
レゲエダンサー達がよく使う曲でもあり、世界中に大ヒットしたショーン・ポールの曲“I'm still in Love”の
オリジナルシンガーでもあるアルトン・エリスや、
キング・オブ・ダンスホールDJと言われているイエローマンなども、この映画で自分達のことを語っている。
まるでフィルムの中でレゲエフェスの楽屋みたいな感じが展開している。
この楽屋は、ジャマイカという1つの国が、会場で着飾ることもなく、普段着の感じで映し出されている。
ラフでタフで、そんな男達が生み出したレゲエ。そんな音楽の誕生のドキュメンタリーである。




ONE LOVE

監督:ドン・レッツ×リック・エルグッド
出演:キマーニ・マーリー、シェリーヌ・アンダーソン、アイドリス・エルバ 他
配給:アートポート
2006年9月2日よりシアターN渋谷にてロードショー

“サラブレッドの血”
二世タレントは数多くいるが、レゲエ界の最大の2世と言えば“ボブ・マーリー”の息子“キマーニ・マーリー”で
あろう。
最近日本のアーティストにも“チャー”の息子“ジェシー”らのバンド“RIZE”など2世のアーティストが
増えている。
偉大なる父を持つと、超えなくてはならない壁が大きくて悩むことが多いであろう。
そんなレゲエアーティスト“キマーニ・マーリー”の主演映画が“ONE LOVE”である。
ジャマイカのゲトーで生まれた宗教・ラスタファリアン。緑と赤と黄色のレゲエの世界。
青い海と緑の大地。
ドレッドヘア。キマーニの役どころはラスタの世界そのもの。
そんな彼の前にクリスチャンの女性が現れ、彼は
一目で彼女を好きになってしまう。
2人の間にある大きな溝、それは、宗教の違い。クリスチャンとラスタファリアン。
その溝をそれぞれの音楽の才能や愛の力で埋めていくというもの。

レゲエものだとマニアックになりがちだが、ラブストーリーをベースに展開していくので、
ラスタファンでなくてもすんなりと見やすく入っていける。
ジャマイカは宗教、人種、階級、音楽が様々に交差している島である。
そんな様々なものを1つの愛で結び付けていく。
まさに“ONE LOVE”がそこにある。
ジャマイカカルチャーに入りやすいこの作品を撮ったのが、ドン・レッツ。
元々イギリスの名門クラブ・ロキシーのDJ。
そんなドン・レッツは、PVの監督に転身し、ボブ・マーリーやクラッシュ、エルビス・コステロなどを撮った。
そんな彼だからこそ、音楽が気持ちよく使われている。
キマーニの曲はもちろん、キマーニの父ボブ・マーリーの曲や
レゲエダンサーがよく使っているエレファントマンなど今昔のレゲエの曲が映画全編に心地よく流れている。
ドレッドヘアと笑顔が印象的なレゲエの初心者入門映画。
ボブ・マーリーの“ONE LOVE”を聞きながらゆっくりと海を眺めたくなる1本である。